泥絵 近世絵画の中のもう一つの近代(ブックレット近代文化研究叢書7)

平井 聖 (著者)

シリーズ:ブックレット近代文化研究叢書

¥ 880 (本体: ¥ 800 + 消費税: ¥ 80)
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商品説明

 見たままに描くという技法を江戸時代の日本人はヨーロッパから学び、近代絵画への糸口を開きました。見たままに描くには透視図法に依らざるを得ないのですから、江戸時代に透視図法的な技術を使って描かれた泥絵は、日本の会がの近代への過程において一角を担いました。描かれた数にしても、現在わかっているだけでも、透視図法的な手法を使った銅版画、木版画、肉筆画の数を上回っていると思います。全国的な調査をすれば、まだ日本中でみつけることができるでしょう。描いた絵師の経歴、売っていた店、価格などほとんどが未知の状況ですが、関心を持つ人が増えれば、新しい発見も期待できます。
 このブックレットが、そのきっかけになればと願っています。(本書より)

初版2011年3月31日
B5判/88ページ

はじめに
この絵の見方と立体の認識
普通の写真、両目での認識
立体(ステレオ)写真
遠くのものも近くのものも同じ大きさ 伝統的な表現法
遠くのものを小さく描く
描かれているのは毛利家上屋敷
描かれた黒田家の登城風景
絵師 司馬口雲坡
霞が関の風景 左右裏返しの絵
眼鏡絵 覗き眼鏡
覗きからくり
蘭画
蘭画まがいの偽絵 泥絵
司馬江漢
遠藤高璟
どんけるかあむる
佐竹曙山・小田野直武
福井市立郷土歴史博物館松平春獄文庫の眼鏡絵
江戸時代にもたらされた銅板画
西洋からの影響
泥絵を描いた絵師たちの透視図法
司馬口雲坡の構図
司馬江漢のスケッチ・モースのスケッチ
歌舞伎劇場の浮絵
広重の『名所江戸百景』
大工棟梁の視点
遠藤高璟の泥絵
1点透視図法と疑似透視図法(葛飾北斎の構図法)
2点透視図法の場合
まとめ
おわりに


附 
泥絵についての基礎データ
泥絵とは
蘭画、泥絵という名称
泥絵の特色
泥絵の所蔵先
泥絵のサイズ
泥絵が描かれた時期
泥絵を描いた絵師
泥絵を商っていた店に関する情報
泥絵の主題 
 泥絵に描かれた大名屋敷
 大名屋敷を描いた泥絵にみられる点景人物
 大名屋敷以外で取り上げられた題材

発行所: 近代文化研究所

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